不安と創造性(2)
2009年 07月 30日
言葉は、脳の持つ機能である「同じ」を特徴としますが、コミュニケーションは、言葉の「同じ」という機能を繰り返すということによって成立しているものということができます。
しかしながら、私たちが生活している世界は、多種多様なものが存在していて、全く同じものが二つとない、つまりコピーが存在しない世界ということができます。
コピーをしても、物理的にはすべては亜種ということになります。
言葉の意味も同様で、言葉の使用法や前後の文脈からその言葉の意味を判断するということが一般的な解釈の方法とされています。
概念の「同一性」は、言葉の特徴のひとつといえますが、「りんご」という概念(同一性)でも、その前後の文脈から個別な「りんご」の意味を含んだ概念(言葉)として、使用されるということが一般的なのではないでしょうか。
たとえば、あいさつにおいては「こんにちは」という言葉を交わしますが、このあいさつの言葉と相手の表情やしぐさとの意図するものの間に微妙なずれを感じるということがあります。
これは、「こんにちは」という一般的な意味とは異なったメッセージが、相手から発信されていることをこちらが察知しているということです。
このように言葉と表情やしぐさの発信するメッセージが異なっているような場合には、私たちはどちらのメッセージを優先して選択すればいいのでしょうか。
ダブルバインドと呼ばれる事例が報告されています。
言葉と表情という二つのベクトルの向きが異なるメッセージが同時に発信されたとき、私たちは強い違和感や不快感という感情の揺れを感じるだけではなく、自分の思考(自我)を統合しておくということさえも難しい状態になってします。
そして、メッセージの不一致を尋ねるということが、さらに自分の混迷を深めるということ(相手は正直に答えてくれない)になる場合には、ダブルバインドという状態にしばりつけられることになってしまうということです。
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