文二郎のパナマ帽
2012年 05月 04日
文二郎は、パナマ帽やフェルト帽を製造する西川製帽株式会社のブランド名です。
私は、数年前から縁あって中折れ帽を着用しています。
春夏はパナマやシゾール、秋冬はフェルトの中折れ帽を愛用しておりますが、そのいずれもがボルサリーノやTESI、マイザーといった海外ブランドばかりでした。
文二郎のブランド名は知っていたものの、和製の中折れ帽には関心がなかったため、文二朗の情報はほとんど持ち合わせていない状態でした。
このため、オーダー会当日には文二郎の西川文二郎社長の直々の接遇があったにもかかわらず、こちらの不勉強ゆえ頓珍漢な質問をしまい、深く反省いたしております。
ところで、オーダー会で文二郎ブランドについて分かったことは以下の通りです。
文二郎の西川文二郎社長は、日本を代表するマイスター(帽子職人)であるということ。
このため、雑誌やNHKの美術番組「美の壺」などのメディアでも取り上げられる有名人であるということ。
また、文二郎の帽子は受注生産が基本となるため、納品までには約2か月かかるということ。
さらに、実測に基づいた受注生産のため、通常1センチ単位のサイズ調整が5ミリまで可能となること。
そして、文二郎プランドの本社兼工場がなんと近鉄百貨店阿部野店からほど近い、大阪市東住吉区桑津にあったということ。
以上のことから、文二郎ブランドは製帽技術の高さのみならず、きめ細やかな対応ができる会社ということが分かり、名実ともに親近感を抱くとともに、文二郎ブランドと私との距離が一気に縮まるのを感じました。
オーダー会ではあれこれ迷った末、黒色のパナマ帽(下の写真)を購入することにしました。
ご存知のように、パナマ帽はその原料であるトキヤ草を自然なままに編み上げるため、白やベージュというナチュラルな色が一般的となります。
これに対し、カラーパナマは原料のトキヤ草を染色してから編み上げるため、ブラック以外にもカラーのバリエーションは広がります。
もちろん、白やベージュはとても涼しげで夏らしい色といえるのですが、少しカジュアル過ぎるように感じる方もいらっしゃるかもしれません。
また、ビジネスにパナマ帽を着用するという習慣は、1950、60年代ならいざ知らず、現代では一般的とまでは言えないのではないでしょうか。
このため、通勤途上でパナマ帽を着用するというのなら、カジュアルな印象を与える白やベージュよりも、むしろフォーマルで落ち着いた印象を与えるブラックやネイビーの方が無難といえるかもしれません。
私はパナマ帽に関わらず、通勤途上ではブラックやネイビーそしてグレーの中折れ帽を着用することにしています。
ただし、ここで見落としてはいけないことは、もともとのブラックパナマの狙いはナチュラルな色だけでは出すことのできない、大人のダンディズム(伊達さ)の演出にあったということです。
つまり、ブラックパナマは、ビジネスのためのタームだけでは語れない、大人の流儀を表現したアイテムといえるものであるからです。
私がオーダーしたブラックパナマは、「パナマジャズデューク」と命名されていました。
これは、西川文二郎社長が大のジャズ愛好家であり、ジャズの大御所デューク・エリントン(アメリカ合衆国 ワシントンD.C.出身のジャズの作曲家、ピアノ奏者、オーケストラリーダー)からその名前をもらって命名したものであるようです。
ところで、新しくスーツを購入した場合には内ポケットあたりにネームを入れてもらうことが一般です。
そして、今回のパナマ帽では、同じようにマイネームを入れる習慣があるということを知りました。
パナマ帽の場合には、帽子のスエットバンド(内側にある輪っか)にネームを入れることになります。
以上のように、実測5ミリ単位のサイズ調整をしていただいたうえに、スエットバンドにマイネームを入れていただいければ、世界に二つとない私だけのパナマ帽の完成ということになります。
パナマジャズデュークの納品は、少し先の6月末頃になる予定です。
今回のご縁を大切にし、文二郎のパナマ帽との末永いおつきあいができればと考えております。
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