前田義子の強運に生きるワザ
2014年 02月 19日
仕事などで相手先を訪問した際に、通された部屋がきちんと整理整頓されて、応対する人から合理的で無駄のない理路整然とした話しを聞くことができたとき、私たちは、普通、応答した人とその人が所属する組織そのものを信頼することになるのではないでしょうか。
「フォクシー」のオーナー兼デザイナーである前田義子さんによれば、人から信頼され、そして強運に生きるためのワザ(スキル)として、①整理整頓すること、②身ぎれいにすること、③清潔にすることの3点を挙げられています。
1点目の「整理整頓」は、自分が必要なときに必要な情報を引き出すための能力のことであり、自分の許容量以上のモノは抱え込まず、余計なモノはどんどん捨てていくという能力です。
これは実際の身の回りのモノ(現物)だけを指すのではなく、自分の頭の中の知識や思考を常日頃から検証し、整理整頓しておくということを意味しています。
つまり、現在の自分の人生観や目標に合わなくなってしまった、古く、余分な知識や情報には固執せず、どんどん捨て去ることで身軽となり、その空いたスペースに新しい知識や情報を新たに収納していくということです。
少し言い方を変えれば、人の話に耳を傾けられる余裕と、いつでも柔軟な思考が可能な頭の整理整頓ということでしょうか。
そして、2点目の身ぎれいにすることと、3点目の清潔にすることは、なにより自分自身の気分の高揚や気力の充実につながることでもあります。
誰もが経験的に知っているように、実際の会話の中身以上に、身なりや清潔感といった見た目の印象が、相手に対する好感度や説得力になっているのではないでしょうか。
そして、このような相手からの好感度や説得力がさらなる自分自身の気力を充実させて、強運のサイクル(好循環)を起動させることになるわけです。
ところで、幸運は自己努力だけで達成できるものではなく、どちらかと言えば、自分を取り巻く社会的環境(社会的文脈)からもたらされるという見方が一般的ではないでしょうか。
したがって、取り巻く社会的環境(社会的文脈)が同じ人同士であれば、誰にも公平に幸運のチャンスは訪れることになるはずです。
理屈上はそうなります。
むろん、ピンチも公平に訪れることになるため、ピンチに対する用心や慎重さも公平に求められることになるのですが・・・。
従って、強運に生きるためには、不幸をもたらすピンチには極力近づかず(むしろ遠ざけて)、反対に幸運をもたらすチャンスは決して逃がさずその効果を2倍・3倍に生かすというのが、前田義子さんの「強運に生きるワザ」です。
要するに、整理整頓や身ぎれい、そして清潔にするという日常生活の基本パターン(習慣)の繰り返しが、日常生活における「集中力」や「自己管理能力」を高めることになり、この結果としてピンチを遠ざけて、チャンスを倍にするという幸運のサイクル(好循環)が駆動を始めるということになるわけです。
これが、前田義子さんの「強運に生きる」極意ではないでしょうか。
情報過多の時代、私たちは周りの情報をいかに取捨選択し、自分と外部との関係性を適正に保持できるかと、常日頃頭を悩ますことになるのではないでしょうか。
いっそうのこと、外部はコントロールできないものと諦め、自分(自己)をコントロールするという方向に切り替えることが、迂回的に見えても、かえって外部との関係性を親和的に保持することができることになるのではないでしょうか。
そのためには、自分が抱え込んで古くなった知識や情報は整理整頓し、もはや自分の価値観に合わなくなった知識や情報は捨て去ることが、自己コントロールする上で負荷の少ない効率的な生き方を可能としてくれることになるのかもしれません。
ただし、ここで注意したいことは、「欲望は欲望に欲望する」というラカンの精神分析の仮説です。
つまり、固執のあまりに肥大化(幻想化)した欲望(情報)は、もはや自分自身ではどうにもならない(自己コントロールできない)ものと諦め、欲望(情報)をきっぱりと遮断するしかないということです。
脱欲望(情報)ですね。
そして、しばらく欲望(情報)を遮断した(我慢した)結果、再び欲望(情報)が自己コントロールできる大きさにまでなれば、欲望(情報)は身の丈にあった現実的なものに様変わりしているはずです。
その結果として至極当たり前なことですが、もう日常生活の中の欲望(情報)には振り回されない、つまり日常の習慣(基本パターン)を坦々と繰り返すことが可能となり、社会的環境(社会的文脈)との親和的な関係性も整ってくることになります。
究極の強運に生きるワザとは、逆説的な答えになってしまうのですが、あえて強運に生きようとしないこと、つまり欲望(情報)に支配されないこと、これに尽きると思うのですが、さて皆様はいかがお考えになるでしょうか。
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