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先の見えない時代にあって、自分の求める生活や価値を明確にしておくことは大切なことです。自分と環境との関係性を考え、欲望をほどよく制御するための心と体の癒しのメッセージです。


by 逍遥
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ゆき亭のオムライス

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「ならまち」にある、オムライスと洋食の店「ゆき亭」に行って来ました。

「ならまち」と呼ばれているこの一画は、奈良時代に飛鳥から移転した元興寺(元法興寺)の旧境内で、今も残る極楽坊(国宝)、禅室(国宝)、大塔跡や小塔跡などは、当時の伽藍配置を今に伝える貴重な痕跡と言えそうです。

また、行政地名として奈良町は存在しませんが、江戸末期から明治にかけての町屋が残る旧境内一帯が、今では「ならまち」と呼ばれています。

落ち着いた風情と懐かしさを漂わせる「ならまち」には、町屋を再利用した素敵なショップが数多くあり、奈良観光のホットスポットになっています。

そして、今回ご紹介する「ゆき亭」は、ふわとろのオムライスが名物となっています。

オムライスにはスープとサラダが付いていて、ソースはデミグラスか、ケチャップのいずれかです。(写真はデミグラスソースです。)

ゆき亭のオムライス_a0126310_21423265.jpg

オムライス以外にも下記の洋食メニューがありますが、オムライスセットを注文している人が圧倒的に多いように思います。

また、リーズナブルな値段で食後のコーヒが付けられるのは、とても有難いことですね。

ゆき亭のオムライス_a0126310_21435353.jpg

ところで、観光地での飲食店等の検索に、食べログなどのインターネット情報は欠かせないものになっています。

そして、検索の上位に位置づけられた情報には、数多くの観光客が集中することになってしまいます。

「ゆき亭」は、インターネット検索上位にあるため、日本人以外にも多くのアジア系外国人観光客が訪れていました。

おそらく、外国の人は、自国の人以上に、インターネット検索上位の情報にアクセス(横並び)する傾向が強いのではないでしょうか。

なぜなら、普通(インターネット以外)ならアクセスしない情報でも、インターネットを介すれば容易にアクセス(横並び)することができるからです。

インターネットに「情弱(じょうじゃく)」という言葉がありますが、では「情強(じょうきょう)」とはどのような人物を指すのでしょうか。

上記の例からすると、インターネットに詳しいがゆえに、検索上位の画一的な情報にアクセス(横並び)してしまう人になるのかもしれません。

つまり、インターネットは情報を拡散させるだけではなく、特定の情報にアクセスを集中(横並び)させることが得意と言えそうです。

また、日本人の意思決定方式として、相互参照と横並びを挙げることが出来ます。

日本人の相互参照と横並びは、各々が自由意思で選択した結果の横並びではなく、同調圧力の結果として「みんな」と横並びする意思決定方式と言えそうです。

このことからすると、インターネットで検索上位の画一的な情報を選択せざるを得ない状況と、同調圧力から横並びの画一的な情報を選択せざる得ない状況とは、とても似た構図にあるように思われます。

つまり、インターネットであっても相互参照であっても、自分以外の「みんな」か選んだものを自分自身で選び直す(シンクロする)意思決定システムということです。

自由意思のようであって決して自由意思ではありえない、少しシニカルな言い方をすれば、ケインズの美人投票のようなものでしょうか。

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もう少し、蛇足ながら。

グローバリゼーションの本質のひとつが情報化と言われたように、グローバリゼーションは、あらゆる情報の差異を見つけては均質化して行くものであると思われます。

また、同時に差異を見つけては情報を分類して行くものでもあると思われます。

例えば、異質と思われた情報であっても、概念化(言語化)が可能となれば、その情報はどこかの引き出しに分類されて、やがて社会に包摂されて行くことになります。

一方、同質と思われていた情報であっても、概念化(言語化)が困難となれば、規格外のレッテルを貼られて、やがて社会から排除されて行くことになります。

要するに、グローバリゼーションの情報化とは、情報の概念化(言語化)とカテゴリー化のことであって、様々な情報を鋳型の中にはめ込んで行く作業が「情報処理」と言うことになります。

そして、社会の至る所で「情報処理」が繰り返されて行くと、やがて社会は二極分化し、各極は細分化されて、グラデーショナルな社会が出現することになります。

まず、経済面では、資本主義における「情報処理」の要諦である「選択と集中」が繰り返されると、やがて富の偏在が生じ、社会の経済格差が拡大することになります。

文化面では、階層社会における「情報処理」の要諦である行動様式(規範)の差異が顕在化すると、隣人同士の話が通じず、コミュニケーションが困難になります。

つまり、グローバリゼーションは期待した自由でフラットな社会ではなく、それとは真逆の経済的、文化的に格差のある階層社会を実現させてしまったということになりそうです。

そして、かような近代(モダン)を超克し、自由でフラットな多文化共生社会の実現には、ポストモダンの左旋回が必要条件になってくると考えているのですが、さていかがでしょうか。

最後は気を取り直して、早春の奈良にお越しの折には、ぜひならまち「ゆき亭」に立ち寄られて、ふわとろオムライスを食されるというのはいかがでしょうか。

(おわり)

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住所:奈良市高御門町4-1
TEL:0742-26-0611


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by kokokara-message | 2017-03-04 13:37 | 奈良